3.リレーシーケンス制御の基本回路と実例①
簡易的な実例を用いて、基本制御を解説します。
実例のアニメーション動画に対して、実体配線図とシーケンス図を用いて理解しやすく解説します。
AND回路
複数のa接点を直列に接続した回路を「AND回路」といいます。
押ボタン(a接点)のすべてが動作して閉路したときに、回路は導通になります。(リレーコイルRがONする)

図3-1.シーケンス図(AND回路)
実体配線図に置き換えると、図3-2になります。

図3-2.実体配線図(AND回路)
NOR回路
複数のb接点を直列に接続した回路を「NOR回路」といいます。
押ボタン(b接点)のどれか1つでも動作して開路したときに、回路は不導通になります。(リレーコイルRがOFFする)

図3-3.シーケンス図(NOR回路)
実体配線図に置き換えると、図3-4になります。
接点が動作せず閉路のとき、回路は導通状態です。(リレーコイルRがONしている)

図3-4.実体配線図(NOR回路)
※)緑の配線は通電状態を表しています。
OR回路
複数のa接点を並列に接続した回路を「OR回路」といいます。(図3-5)
押ボタン(a接点)のどれか1つでも動作して閉路したときに、回路は導通になります。(リレーコイルRがONする)

図3-5.シーケンス図(OR回路)
実体配線図に置き換えると、図3-6になります。

図3-6.実体配線図(OR回路)
自己保持回路
電磁リレーのコイルに与えられた入力信号で、自身のa接点(R-a1)を動作(導通)させ、その動作回路によりコイル入力回路をつくることです。(図3-7 赤線部)
これにより押ボタン(a接点)を離して指令がOFFになってもリレーコイルはONし続けます。

図3-7.シーケンス図(自己保持回路)
実体配線図に置き換えると、図3-8になります。

図3-8.実体配線図(自己保持回路)
以上の回路は、一般的に多用される回路の例です。
経験が浅いときには、シーケンス図の配線が、実際にどのように配線されているかイメージし難いです。
AND回路を例にして、シーケンス図と実体配線図を対比させて配線を確認してみましょう。(図3-9)

図3-9.配線の比較図
赤線部は電磁リレーのコイルの入力回路、青線部はその接点によるランプ点灯回路です。
シーケンス図と実体配線図で、それぞれの①~④、⑤~⑦は同じ配線です。
図は異なりますが、同じ内容を表現していることが分かります。
電気図面は、ソフト図面(ラダー図)とハード図面(シーケンス図)があります。
制御盤の製作、メンテナンスをするためには、シーケンス図を理解してください。
【動画の見方】
本節の動画では、実体配線図が閉路で通電状態のとき下図例のように緑色で配線が表示されます。(図3-10)

図3-10.実体配線図の通電状態
これをシーケンス図で表現するときは、イメージし易くするため接点等の動作部は、閉じた状態で表現しています。
また、通電部は赤く表示しています。(図3-11)

図3-11.シーケンス図の通電状態